墨付けと手加工・・・大工さんの技術を受け継ぐ

春先に ホクシン会長のお知り合いが 事務所へ来られた際、会長とお話をしている中で、「へー! 手加工でやってるんだ。プレカットじゃないの?」

そして会長は 「うちは今でも墨付けからやってるよ。昔は、墨付けができて一人前の大工と認められたもんだよ。」と。

決して盗み聞きをしていたわけではありませんよ(^^) そんな会話を耳にしました。

我社 ホクシン建設の創業者 首藤 喜四男会長。

16才頃から木材に携わり、のち大工の道へ進み、そして昭和49年に(株)丸三ホクシン建設を立ち上げ 今の我社の基盤をつくりながら 大工として活躍されてきました。

その大工としての魂は 現在の首藤社長へ受け継がれ、そして ホクシン大工さん達へも熱く受け継がれています!!

・・・と、手加工って?プレカット?墨付けって何?!一体どういうものなのかと言うと、

おうちというのは 土台、柱、梁で 支えられています。その重要な部分の材料を 機械に頼らないで手加工をする方法。

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昔からの方法とは 平面図を見て 基礎伏図を起こし、土台、柱、梁の材料に暗号のような印をつけ、それを手加工で切込みを入れる。

これが 「墨付け」と「手刻み」という 作業です。

 

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その墨を入れ、切り込んだ材料を 一本一本 調整しながら組んでいくのが、昔ながらの方法です。

 

プレカットとは パソコンで入力された情報を工場の機械で加工する方法。ノミやのこぎりを使わなくても きれいに刻まれ加工される方法が プレカット加工です。

こちらは 作業性が良いので 現場工程も効率良く進みます。

どちらの工法も それぞれ利点があり、ホクシンでは その現場の状況に合せておこなっているのですが、やはり できるだけ 大工の技術を活かし墨付けからという思いは、首藤社長をはじめ、大工さんたちも強く思っています。

というのも、ホクシンの建物は 柱や梁が見えた建物が多く、その柱や梁こそが ダイナミックでもあり、大工さんたちにとっては 腕の見せ所なんです!梁IMGP7698

 

そんな思いもあり ホクシンの若い大工さん達は 棟梁たちがやっている墨付け作業を見ながら学び、棟梁たちは 負けじと さらに腕を磨いていきます。IMGP7489IMGP7915

 

と、言う訳で・・・今年から新たに試みた研修会。

ホクシン大工さん総出で 現場にて建込みの研修です。 ちょうど、梁掛け真っ最中の現場で、研修を行いました!!

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現場担当の 膳亀棟梁と、 熊谷大工は ちょっとドキドキです!

 

それもそのはず、他の大工さんたちの目がギラギラと刺さります!!

定規をあててチェックをする管理の小林。 <定規をあててチェックをする管理の小林>

 

やいのやいのと チェックが入りながら研修をしているうちに なんだか作業をはじめ、大工さんみんなで建て込み(^^)

  <上からチェック!下からもチェック!> <上からチェック!下からもチェック!>

 

四隅からは 柱の水平針を見ながら

「あと5ミリ!」IMG_6050

 

「こっちにあと1ミリ!ハイ、いいよ!」などと、四隅の角の柱を調整し、お次は 梁を掛けていきます!

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いつもはクレーンで上げるところも 本日は手がいっぱいあるので みんなで重い梁を持ち上げます。

<チェックしてたら使われてしまいました。> <チェックしてたら小林にご指名が>

 

上では 調整をしながら、梁を掛けていきます。

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IMG_6077 <借り出されてしまった首藤社長>

 

この、調整をしながら叩き入れるという ちょっとした加減が また難しく、大工さんたちみんな、簡単そうに作業をするのですが、これはこれは 熟練した技が必要なんですよ~。

あっという間に 梁掛け終了。

通常は 2~3人で行う作業ですし それぞれの現場もあるので、本日のような 大工さんみんなが集結して建込み作業をするのは 初めてなのでは?!

<夕日を背にする大工さん達> <夕日を背にする大工さん達>

 

他の大工さんの現場を見る機会も少ないので 今回の研修は お互い良い刺激になったようです。

さて 次はどこの現場で 研修となるのやら・・・。