後進を育てる

ホクシン建設の取り組み

若手大工が育ちにくい環境

かつて大工は男の子の憧れの職業でした。作業場に搬入された木材の狂いやねじれを見極め、正確に寸法を測り、木材に印を付ける「墨付け」。ノコギリやノミなどの大工道具を使って切断したり切り込みを入れる「刻み」。そして現場での建てこみ工事を行う姿の格好良さ。

同時にそれは、大工自身にとって、技術を磨き、努力を重ねることで良い住宅を実現でき、評価されるというやり甲斐を感じる仕事でした。

ところが今では、大工の高齢化と人材不足が急激に進み、しっかりとした品質の家を建てたり、施主の要望に応じたきめ細かい大工仕事の実現が危うい状況になりつつあります。

プレカットやパネルなどを多用して合理化・省力化が進むのは良い面もあり丸三ホクシン建設でも現場の状況に応じてケースバイケースでプレカットを採用しています。しかし、合理化を追求するあまり、仕事が単純化し、スキルを磨きたいという意欲ある若手の大工が育ちにくくなっているという側面もあります。

効率性を重視するあまり、先輩大工も若手を教える余裕がない。スキルや経験を問われる機会が減ると、雇用形態も常用ではなくなって、必要な時だけ声がかかる。不安定な仕事になるとますます若手大工が育たない状況になってきました。

こうした現場では、大工は数日だけその作業を担っているだけなので、現場視察にこられたオーナーに丁寧に対応したり、ましてや設計変更に関わるような要望を真剣に聞いたりという余裕はありません。そういった関係性は、現場の清掃や近隣の方へのマナーに始まり、我が家の建設を楽しみに現場を見学に訪れるオーナーとの接し方、共感の深さなどに大いに関わります。

丸三ホクシン建設は
「大工」が魅力

丸三ホクシン建設の最大の魅力は、腕の良い大工が揃っていることです。社長の首藤は道央建築高等職業訓練校と、ホクシン建設で大工としての基礎を学び、「日本建築大工技能士会札幌支部」に入会し、青年部の活動に参加。20代のうちに建築大工一級技能士・職業訓練指導員・二級建築士・二級施工監理技士を取得し、職業訓練校の講師として教壇にも立ちました。現在も技能士会の活動などを通じ、若手大工の指導を行っています。こうした社長の姿勢に、同じく大工育成に取り組んでいたベテランの大工が共感しホクシン建設に入社、次第に大工が充実していきました。

ホクシン建設は、多くの住宅会社とは異なり、大工を通年雇用で採用し、直営施工で工事をしています。そのため、生活や将来の不安を抱えることなく、仕事に集中でき定着率も向上します。また「墨付け」や「刻み」などの技能を現場で先輩大工が後輩に教えています。外装材の施工や造作家具の製造、現場管理のノウハウなどのスキルも先輩から教わり、大工として成長します。

また、大工一人ひとりが、丸三ホクシン建設の家づくりのスタイルを学び、担当する現場の施主との打ち合わせにも同席。工事現場でも日頃から交流を行うことで、施主の要望や期待を知り、責任の大きさも意識します。

また、ホクシン建設では、家が竣工し、施主に引き渡す直前に、社長や設計、社内スタッフや大工が現場に集まってミーティングを行います。担当した設計・工事管理・棟梁・大工が、この現場での施主の要望や、設計・施工上の改善点などを発表し、全員で担当大工の仕事ぶりを検証し、厳しい指摘も含めた意見交換を行います。このように一つひとつの現場を大工が責任持って担当し、成果を発表する場を設けることで、若手大工も含めた、担当大工全員のスキルや責任感が養われます。

住宅のプランづくりは設計士や事務所スタッフが主に行いますが、担当の棟梁や大工も必要に応じて打ち合わせに参加します。施主の思いを直接聞き、理解しているので、大工が自ら施主のために考えた家造りのアイデアや、造作家具やテーブル、椅子などの制作などを提案することもあります。

また、現場見学に訪れたオーナーの新たな要望などにも前向きに耳を傾けます。これが、我が家を手に入れたオーナーの喜びや満足、大工や住宅会社との信頼関係、その後のメンテナンスなどの場面でも良い結果を招くのです。

前置きが長くなってしまいましたが、当社の自慢の大工さんたちをご紹介します。